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ぱらぶらワールド

青年海外協力隊→開発コンサルタント→有限会社Moringa Mozambique代表取締役。アフリカのモザンビークで起業した、社会人経験ほぼゼロの人間です。ポルトガル語の学習法や、海外生活、起業、時々読書や将棋のことなどを書いていきます。

社会から逃げ続けた友人は、8年ぶりに会ってもいいヤツだった

2ヶ月前日本に帰った時、大学時代の友人と8年ぶりに会った。

 

今の時代、FacebookTwitterなどで容易に繋がれる。

長年連絡をとっていなくてもある日「久しぶり!今度会おうよ」とメッセージを送れば、すぐに会える。

 

道でバッタリ会う、そんな偶然はモザンビークであれば結構頻繁に起こる。行動範囲が限られているから。

日本だとそうはいかない。買い物に行く場所やレストランが無限にあるので、道でバッタリ会うのは奇跡だろう。

 

話が脱線した。そう、8年ぶりに友人(以下、K)と会った。

  

1. 大学時代の僕とK

大学時代の友人、といっても頻繁に会っていたわけではなく、

回数にしたら10回未満しか会ったことはない。

でも、不思議と僕はKに興味を抱いていた。ちょっとした憧れ、に近い感情で。「僕の好きな戦国武将、前田慶次みたいなヤツだな」と思っていた。

 

Kは個人的に非の打ち所のない人間だった。

イケメン、背が高い、文武両道、広い交友関係、学生時代に会社を経営、などなど。僕にないものを山ほど持った人間だった。

ここまで圧倒的な差があれば、器の小さい自分なら相手を嫌っても良さそうだが、Kは性格も文句なしによかった。

 

さっきも言ったが、「前田慶次みたいなヤツ」それがKだ。実際彼も前田慶次が好きで、僕は彼から『一夢庵風流記』という、隆慶一郎氏の本を紹介してもらった。

 

学生時代、最後に会ったのがいつだったか、覚えていない。

Kは卒業後、誰もが知っている大企業への就職が決まっていた。

自由な人間だから、何年かしたら起業でもするんだろう、そんな感想を抱いた覚えがある。

 

最後に会ってから8年間、ほとんど連絡のやり取りはなかった。

が、(今さら言っても後付けのようにしか思われないが)、僕はいつかKと会う日が来るだろうな、と何となく予感していた。

深い縁ではないけど、細々と繋がり続ける縁。そんな間柄なんじゃないかな、と勝手に思い込んでいた。

 

8年ぶりの再会は、Kからの連絡がきっかけだった。僕がアフリカで生活していることを耳にし、Facebook経由でメッセージを送ってきてくれた。

今度日本に帰ったタイミングで会おう、と約束し、実際に会ったのが2ヶ月前。池袋のイケフクロウ像の前で落ち合い、夜ご飯を一緒に食べた。

 

8年間、互いにどういった人生を歩んできたのか。ほとんど知らない状況から、会話がスタートした。 

2. 社会に入って半年でつまづいたK

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大学卒業後、Kは一流企業に就職した。誰でも知っている大企業で、僕はそこの一次面接で見事に撃沈した過去がある(Kには話していない)。

 

Kはその会社を、半年で辞めることになる。

理由は、 「これ以上、相手が苦しむ営業をかけたくない」から。

経営難である業者に対しても、できるだけ高額の広告スペースを売りつける。それが、その会社のスタイルだった。

相手のことなどお構いなし、まぁそんなに珍しくはない気もする。社員も食い扶持を稼ぐ必要があるので、やるしかない状況に立たされているんだろう。

 

だがKは、耐えられなかった。

これがKの最初のつまづきだった。  

 

3. ホームレスとなったK

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失業後のKの動向は、普通ではない。

 

まず、いきなりホームレスとなった。

ちょっと待て!大企業にいたのにそれはないだろう!僕はそう思った。大半の人もそう思うだろう。

 

どうしてそこまで極端な行動に走ったのか、それはKにしかわからない。

おそらく、半年で会社を辞めようと決めた当時のKは、相当追い詰められていたんだろう。傷が癒えるためには、社会と距離を置く必要があったのかもしれない。

 

ホームレスとなったKは、公園で寝泊まりをしていた。日中は近くの図書館に行き、ひたすら本を読み漁っていたらしい。

公園と図書館を行き来するだけの生活、想像できるだろうか?人との接触もほとんどなく、本の世界に閉じこもる。

 

僕は読書好きだからわかる。精神的に苦しい時の読書は、雑念ばかりで集中できない。

Kに聞いてはいないが、この時彼の読んでいた本は自己啓発や哲学系の類だと僕は思っている。本に救いや答えを求めることは、それほど不自然なことではない。

 

だが結果的に、この生活は長くは続かなかった。

確実に社会不適合者への道を進んでいたK。救ってくれたのは本、ではなく、人だった。

 

4. ヒモ生活の始まり

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ホームレス生活から脱出できたのは、Kの元交際相手の助けがあったからだ。

あまりにも悲惨な生活を送るKを見過ごせなかったのか、その女性が「あんたこのままだとマズイから、うちに来なよ」と連絡してきたらしい。

 

そして、女性とKの共同(同棲?)生活が始まった。

Kはまだ社会復帰できる状態ではなかったので、一日の大半を家で過ごした。

そう、ヒモ生活の始まりである。

 

ヒモ生活時代は、ホームレス生活の時より精神状態が良かったようだ。人間、衣食住を気にせず過ごせるだけで、案外幸せなのかもしれない。

少し回復したKは、「このままだとマズイ」と考えられるようになった。

さて、次はどうするんだK。ー 僕とKとの間に生じた8年間の空白は、想像もしなかったKの人生が詰まっていた。

 

あ、こっちのアフリカ話が霞んでる・・。

その日の僕は、完全に聞き手となっていた。

 

5. 逃げ回ったK

ヒモ生活以降のKの人生は、紆余曲折が激しい。

 

ヒモじゃだめだ、自力で生計を立てなくては!

『田舎で自給自足生活』

集団で自給自足生活をしている団体へ。しばらくすると、そこが新興宗教団体と気づく。

このままだとマズイ!

『世界放浪』

かなりの国を旅し、世界と自分を見つめる。

自分の悩みのちっぽけさを知れた、そうKは振り返っていた。

ようし、そろそろ社会復帰だ!

『北海道のIT企業へ就職、狩猟を始める』

ケータイゲームのプログラミングをやっていたらしい。未経験でも採用してもらえたようだ。

K曰く、「誰とも話さなくても良い職場だったから、リハビリとしてかなり良かった」とのこと。

変な人がたくさんいたので、人との関わりが苦手になってしまったKでも、違和感なく職場に溶け込めたようだ。

 

また、北海道でKは狩猟を始めた。

「命をもらって人間が生きてることを実感する」Kが言っていた。

狩猟した動物の生肉も食べていたらしい。

「生肉は、生命エネルギーがすごい!お前も食ってみたほうがいいよ!」と進められた。いつかエネルギーが切れた時、食べてみよう。

 

結果的に、Kはこの北海道での生活で社会復帰を果たした。

彼にとって救いとなったのは、精神状態に問題のあった自分を受け入れてくれた社会(職場) だった。

 

6. 社会から逃げ続けてきたKが、気づいたこと

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Kは今、東京で働いている。

北海道の居心地のいいIT企業を辞め、今度はITコンサルを営む会社へ就職した。

  

入社半年で会社を辞め、社会から脱落したK。彼は自分の8年間をこのように振り返っていた。

 

「今までずっと問題から逃げてきたけど、逃げて状況がよくなったことなんて一つもなかった。北海道のIT企業は、人とコミュニケーションをとる必要がなくて居心地が良かったけど、それは人と接することから逃げてるだけと気づいた。だから次は、人と触れ合うことが必須の仕事を選んだんだ。」

 

Kの前向きな反省を聞いて、僕はひたすら感心して「そっか〜!」とバカみたいに繰り返した。

 

8年間でKが学んだことを一言で言うと、

逃げても状況は良くならない 

だろう。

 

言葉にすると簡単だが、Kはその言葉の意味を8年間かけて身体に叩き込んだ。これは自己啓発書で読んで得る知識の100倍は価値がある。

実際、Kが僕に言ってくれた「逃げても状況は良くならない」と、それを聞いた僕がリピートして言った「そうだよね、逃げても状況は良くならないよね」は、

 

重みが全然違ってた。。

 

リピートしなきゃよかった、そう後悔するぐらい違いがあった。

僕も一生の内に、生き様から滲み出た教訓を語れるようになりたい、そんなことを思った。

 

7. Kは相変わらずいいヤツだった。それを知れただけで嬉しかった

Kとは、ご飯を食べた後、僕のお気に入りNo1喫茶ルノアールへ行き、少し雑談して別れた。

(僕のルノアール愛については、また他の記事で書きたいと思う)

 

仕事の合間を縫って会ってくれたK。自分を誇張して見せずに、駄目駄目だった時のことを包み隠さず話してくれたK。

 

あぁ、相変わらずKはいいヤツだな。それを知れただけで、8年ぶりに再会できて良かった。

 

今度モザンビークへ遊びに来てくれるようなので、それを楽しみに生きていきます。

 

今回は以上です! 

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